
女子野球日本代表の里 綾実(さと あやみ)投手が、カナダ独立リーグIBLのトロント・メープルリーフスと契約し、同リーグ初の女性選手となりました。里選手はW杯で3大会連続MVPを獲得した実力派。球団は「世界トップの女子投手」と称えています。里選手に、現在の心境や決意についてインタビューに答えていただきました。
ー 2025年5月11日に迎えたカナダでの初試合には、どのようなお気持ちで臨まれましたか?
野球を続けていて、まさかこんな事が起こるなんて思ってもいませんでした。 海外のリーグでプレーする機会を与えて頂いた感謝の気持ち。 人生の中で新しい事に挑戦する事と、自分自身で積み上げてきたものがどれだけ通用するのかというたのしみ。 沢山の方が注目している中で、どれが正解・不正解かわからない前例のない事へ取り組む不安。 自分自身のベストを出し切る事が出来ず、もしも成果を出せなかったら…という恐怖。 沢山の感情が頭の中で何度も駆け巡りましたが、最終的には"心から楽しむ"という事で覚悟を決めました。
ー 今回の海外挑戦にあたって、ご自身が日本で培ってこられた「強み」とはどのような点だとお考えですか?
私の強みは対応力と順応性が高いという事です。トロントに来て1週間後にオープン戦、そのまた1週間後が開幕戦と来加してから開幕まで日にちがそんなにありませんでしたが、生活もピッチングもそんなに苦労せずに馴染む事が出来ました。
沢山の方、特にチームオーナーのキース・スタイン氏がプレーに集中できるよう多大なるサポートをしてくれているので、そのお陰で取り組むべき事に短期間でアジャストする事が出来たのだと思います。
ー チームメートや現地の若い選手たちにとって、ご自身はどのような存在でありたいとお考えでしょうか?
まずはチームに馴染む事を1番に考えているので、どのような存在であるかは考えていません。野球が好きな事、楽しむ事に年齢・性別・国籍は関係無いんだという事をお互いに分かち合えたら嬉しいです。
ー もし将来、「自分も同じ道を歩みたい」と語る女子野球選手が現れたとしたら、その方にどのような言葉をかけたいと思われますか?
覚悟を持って挑戦すれば必ず道は開けると思います。是非沢山の女子選手が強い気持ちを持って新たな事にどんどん挑戦してほしいです!
ー 最後に、トロントで応援してくださるファンの皆さまへ、メッセージをお願いいたします。
私が野球を始めた当時、女子選手が甲子園を目指すこともプロ野球選手になる事も最初から諦めなければなりませんでした。私は野球で将来の夢を持つことはできませんでしたが、そんな中でも大好きな野球を続けてきて今は夢のような日々を過ごしています。
私が持たなかった夢を次世代の女子野球選手には持ってほしいと強く願っています。そんな想いを持ちながら精一杯プレーしていますので是非、トロント・メープルリーフスの試合を観に来てください。応援よろしくお願い致します。



Photos: ©2025 Toronto Maple Leafs Baseball Club
⚾里選手インスタグラム:@sato_18
⚾Toronto Maple Leafs Baseball Club Homepage:https://www.mapleleafsbaseball.com/
ご協力いただいたインタビュアー:Yoko van Veen さん